「かたぴさん!助けて!」
私がある専門学校で勉強していた時の話。
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勉強仲間のA子が血相変えて走ってきて、次の授業の準備をしていた私の腕を引っ張って廊下に連れ出した。そこには目を血走らせて何事かを怒鳴っている男が立っていた。
こいつが”A子のストーカー”か!
”A子のストーカー”
勉強仲間からそう噂されていた受講生を私が実際に見たのはこれが初めてだった。
びびる私、しかしなんとかしない訳にはいかない。奴は何事か怒鳴っている。
ストーカー野郎「お前誰や!」
私「A子の友達や」
A子「かたぴさんに向かってお前って・・・・」(私の背中に隠れながらつぶやいている)
私「いや今そこは突っ込むところじゃない・・・」
廊下に野次馬が集まってくる
(かたぴが喧嘩してる)
(かたぴが喧嘩してる)
(ザワザワ・・・)
いやいや喧嘩じゃない・・・
怒鳴り続けるストーカー
ストーカー野郎「A子おまえいい加減俺を付け回すのやめろや!!」
私「!??」
ストーカー野郎「付け回すの止めへんのやったら、探偵雇って証拠集めて訴えるぞ!!」
私「?????」
どうやらストーカー野郎の頭の中では自分が追い回していたA子が、いつの間にか自分を追い回している設定に変わっているらしい。もちろんA子は普段ストーカー野郎を極力避けるようにしていて、追い回しているなんてあり得なかった。
無い知恵を絞り、頭をフル回転させる私。
私「そうか君も困ってんねな」
ストーカー野郎「ああ!?」
私「今まで君も嫌な思いしてきたんやな」
ストーカー野郎「お、おう・・」
適当な言葉でストーカーに寄り添うわたし(笑)
しかし奴の様子が少し変わってきた。
私「わかった、今日から金輪際お互い関わるのやめよう。お互いすれ違っても無視しよう。
A子のことは僕が見張っとくから大丈夫や。A子約束できるよな?」
無言でめっちゃうなずくA子
ストーカー野郎「おう。それやったらええわ」
(なんだか知らんが、納得したストーカー)
そして立ち去る。
危機一髪セーフ・・・・
この事件のあと
A子のストーカー被害も無くなり、しばらくしたらストーカー野郎も学校から姿を消した。
世に溢れるのストーカーの撃退方法がいつもこのように上手くいくとは思えないが、
私が人と接するときにいつも意識していることは、
人は誰でも自分の考えが正しいと思っているという事であり、本人の頭の中では辻褄が合っているという事。
そういう人間に
「お前は間違っている」
と主張しても、相手から見れば主張しているこちらの頭がおかしいように見えている。
そういう人間の心を動かすためにはまず相手に寄り添う、少しでも理解していることを示すことが重要。
そうすることによって、相手の心を動かすチャンスが生まれてくると
私はこれまでの経験からそう実感しています。
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